IT資産廃棄の最新トレンド ― データ消去を含めた安全な廃棄手順とは
企業のIT資産が増え続ける中、パソコンやサーバーの廃棄処理をどのように進めるべきか悩まれていませんか。単に機器を処分するだけでなく、データ消去の確実性、法令遵守、環境への配慮など、考慮すべき要素は年々増加しています。
2019年の神奈川県庁の事例では、廃棄を委託したハードディスクが転売され、行政文書や個人情報が流出しました。この事件をきっかけに、総務省がセキュリティガイドラインを改定し、IT資産廃棄におけるデータ消去証明書や破壊証明書の発行が強く求められるようになりました。さらに、ESG経営の観点から、IT資産のリユースやリサイクルを通じた環境貢献も企業に期待されています。
本記事では、IT資産廃棄の最新トレンドから、安全な廃棄手順、企業が直面する課題まで、実務担当者が押さえるべき情報を網羅的に解説します。適切なIT資産廃棄によって、情報セキュリティと環境配慮を両立させましょう。

目次
なぜ今「IT資産廃棄の見直し」が求められているのか
企業を取り巻く環境の変化により、IT資産廃棄に対する要求水準が大きく変わっています。単なる処分業務から、経営課題として捉えるべき重要テーマへと進化しています。
増加する企業IT資産と管理の複雑化
企業が保有するIT資産は、種類も数量も増加の一途をたどっています。この増加が、廃棄時の管理を複雑にしています。
リモートワーク拡大によるデバイス増加
新型コロナウイルス感染症の影響により、リモートワークが急速に普及しました。従業員の自宅用にノートパソコンやモバイル端末を追加配備した企業が多く、IT資産の総数が一気に増加しました。
従来はオフィスで集中管理していた機器が、従業員の自宅に分散配置されるようになりました。退職者や異動者の端末回収が遅れたり、所在不明の機器が発生したりするケースも増えています。
リモートワーク用のデバイスは、廃棄時に物理的に回収することが困難な場合があります。遠隔地の従業員から機器を回収し、適切にデータ消去を実施する仕組みが求められています。
サーバー・ストレージのクラウド移行による資産分散
多くの企業がオンプレミスのサーバーからクラウドサービスへ移行しています。クラウド移行により、物理的なサーバーは減少する一方で、クラウド上のデータ管理という新たな課題が生まれました。
クラウドサービスの契約終了時には、クラウド事業者側でのデータ削除を確実に実施してもらう必要があります。削除証明書の取得や、削除完了までの期間管理など、従来の物理的な廃棄とは異なる管理が必要です。
ハイブリッド環境では、オンプレミスとクラウドの両方に資産が分散し、廃棄対象の把握が困難になっています。統合的な資産管理システムの導入が不可欠です。
管理対象の拡大が生む情報漏えいリスク
IT資産の種類が多様化し、パソコンやサーバーだけでなく、スマートフォン、タブレット、IoT機器なども管理対象となっています。これらすべてに個人情報や業務データが保存されている可能性があります。
管理対象が拡大すると、廃棄時の見落としリスクも高まります。特に小型の記録媒体は紛失しやすく、USBメモリやSDカードなどが適切に廃棄されずに放置されるケースがあります。
複雑化した管理体制の中で、廃棄プロセスが標準化されていない企業では、情報漏えいリスクが高まります。全社統一のルールと手順の整備が急務です。
法制度とガイドラインの強化
法令やガイドラインの改正により、IT資産廃棄に対する要求水準が年々厳しくなっています。
個人情報保護法改正で求められるデータ削除対応
2022年4月に施行された改正個人情報保護法では、個人データの削除や利用停止の請求権が強化されました。企業は、保有する個人データを適切に管理し、不要になったデータは速やかに削除する義務があります。
IT資産を廃棄する際には、保存されている個人データを確実に消去する必要があります。消去の証跡を残し、監査時に提示できる体制を整えることが求められています。
違反した場合には、個人情報保護委員会からの勧告や命令、さらには刑事罰の対象となる可能性があります。法令遵守の観点からも適切な廃棄処理が不可欠です。
内部統制・監査での廃棄証跡の義務化傾向
上場企業や一定規模以上の企業では、内部統制報告制度に基づき、IT資産の廃棄プロセスを文書化し、運用する必要があります。廃棄証跡が残らない処理は統制の不備として指摘されます。
監査法人による外部監査では、データ消去証明書や破壊証明書の保管状況が確認されます。証明書がない場合や、委託先業者の管理体制が不十分な場合、改善を求められることになります。
会計監査においても、固定資産の除却処理に際して、適切な廃棄証明が求められます。特にリース資産の返却時には、データ消去証明書の提出が契約条件となっているケースもあります。
ISO・ISMSなど国際基準への対応の必要性
ISMS(ISO27001)やプライバシーマーク(Pマーク)といった第三者認証を取得している企業では、認証基準に沿ったIT資産廃棄が求められます。審査時には、廃棄プロセスの文書化、実施記録、証明書の保管などが確認されます。
国際的なビジネスを展開する企業では、欧州のGDPRやカリフォルニア州のCCPAなど、海外の規制にも対応する必要があります。これらの規制では、データの削除権(消去権)が明確に規定されています。
グローバルな取引先からのセキュリティ監査でも、IT資産廃棄のプロセスが確認されることが増えています。国際基準に準拠した体制を整えることが、ビジネス機会の維持・拡大につながります。
IT資産廃棄を「経営課題」として捉える時代へ
IT資産廃棄は、単なる処分業務ではなく、経営戦略の一部として位置づけられるようになっています。
サステナビリティ経営とESG投資の観点
ESG(環境・社会・ガバナンス)経営を推進する企業にとって、IT資産の適切な廃棄とリサイクルは重要な取り組みです。リユース率やリサイクル率を向上させることで、環境負荷を低減できます。
投資家や株主は、企業のサステナビリティ報告書を通じて、IT資産の処分方法や環境配慮の取り組みを評価しています。適切な情報開示が、ESG投資を呼び込む要因となります。
パソコンの製造には多くの資源とエネルギーが必要なため、再利用を促進することでCO2排出量の削減に貢献できます。環境目標の達成にも直結する重要な活動です。
ITAD(IT Asset Disposition)という新しい考え方
ITAD(IT資産適正処理)とは、IT資産のライフサイクル全体を最適化する考え方です。単なる廃棄ではなく、資産価値の最大化と情報セキュリティの両立を目指します。
ITADでは、廃棄する機器を評価し、再販可能なものは買取、部品として利用できるものはリユース、それ以外はリサイクルと、最適な処理方法を選択します。これにより、廃棄コストを削減し、収入を得られる可能性もあります。
欧米では、ITAD専門業者が確立されており、グローバル企業の多くが利用しています。日本でも、ITADの概念が徐々に浸透しつつあります。
リユース・リサイクルを含めた資産最適化
使用済みのIT資産を、社内の別部署で再利用したり、中古市場で販売したりすることで、資産の有効活用が可能です。適切にデータ消去された機器であれば、安心して再利用できます。
再販できない古い機器や故障品でも、部品として取り出して再利用したり、金属やプラスチックなどの素材としてリサイクルしたりできます。廃棄物の最終処分量を減らすことで、環境負荷を低減できます。
循環型社会の実現に向けて、企業にはIT資産のライフサイクル全体を考慮した最適化が求められています。廃棄を終点ではなく、次の活用への起点と捉える視点が重要です。

IT資産廃棄の全体プロセスを理解する
IT資産を安全に廃棄するには、計画的なプロセスに従って進める必要があります。各段階でのポイントを押さえましょう。
① 廃棄対象資産の把握と管理台帳の整備
廃棄を開始する前に、対象となる資産を正確に把握することが重要です。
社内資産の棚卸しと使用状況の可視化
IT資産の棚卸しを定期的に実施し、どの部署にどの機器が配置されているかを正確に把握します。資産管理台帳と実物を突合し、所在不明の機器がないか確認します。
使用状況を可視化することで、稼働していない機器や、使用頻度の低い機器を特定できます。これらを優先的に廃棄対象とすることで、管理コストを削減できます。
クラウド型の資産管理システムを導入すれば、リアルタイムで資産状況を把握でき、棚卸作業の効率化にもつながります。
廃棄判断基準(老朽化・サポート終了・コスト等)
どの機器を廃棄するかの判断基準を明確にしておく必要があります。一般的には、耐用年数の経過、メーカーサポートの終了、修理コストの高騰などが判断基準となります。
Windows 10のサポート終了のように、OSのサポート終了は大規模なリプレイスのタイミングとなります。計画的に廃棄と更新を進めることで、業務への影響を最小限に抑えられます。
故障した機器や、性能が不足して業務に支障をきたしている機器も、廃棄対象として検討すべきです。修理して使い続けるよりも、新規購入した方がコスト効率が良い場合があります。
台帳と実物の突合による不正持出防止
資産台帳に記載されている機器が実際に存在するか、定期的に確認する必要があります。台帳と実物が一致しない場合、紛失や不正な持ち出しの可能性があります。
廃棄時には、台帳から除却する機器のシリアル番号と、実際に廃棄する機器のシリアル番号を照合します。この照合作業により、誤った機器を廃棄してしまうリスクを防げます。
廃棄証明書には、シリアル番号が記載されるため、どの機器が確実に廃棄されたかを証明できます。監査対応においても、台帳と証明書の整合性が重要なチェックポイントとなります。
② データ消去の実施と記録管理
IT資産廃棄において、最も重要なプロセスがデータ消去です。
OS初期化では不十分な理由と完全消去の必要性
Windowsの初期化機能やフォーマットでは、データの管理情報が削除されるだけで、データ本体は記録媒体に残り続けます。市販の復元ソフトを使えば、簡単にデータを復元できてしまいます。
企業の機密情報や顧客データが復元されれば、重大な情報漏えい事故につながります。そのため、初期化だけでなく、専門的なデータ消去処理が不可欠です。
完全消去とは、記録媒体の全領域に無意味なデータを上書きすることで、元のデータを読み取れなくする処理です。国際基準に準拠した方法で実施することが推奨されます。
論理消去・物理破壊の使い分け
データ消去の方法には、論理消去(ソフトウェア消去)と物理破壊の2つがあります。論理消去は機器を再利用できるというメリットがあり、物理破壊は最も確実な消去方法です。
論理消去では、NIST SP 800-88やDoD 5220.22-Mといった国際基準に準拠したソフトウェアを使用します。複数回の上書きにより、復元不可能なレベルまでデータを消去します。
物理破壊では、専用の破砕機で記録媒体を数ミリ単位の細片に粉砕します。特に機密性の高い情報を扱う場合は、論理消去と物理破壊の両方を実施する二重消去が推奨されます。
データ消去証明書の発行と保管
データ消去作業を実施した後には、データ消去証明書または破壊証明書を取得します。証明書には、機器のシリアル番号、消去日時、消去方法などが記載されます。
証明書は、監査時のエビデンスとして重要です。内部監査や外部監査において、適切なデータ消去を実施したことを証明する書類となります。
証明書は、法定保存期間に合わせて7年から10年程度保管することが推奨されます。電子データで保管すれば、検索も容易で、長期保管にも適しています。
③ 回収・運搬・廃棄の安全管理
データ消去後の機器を、安全に回収・運搬し、適切に廃棄または再利用する必要があります。
オンサイト(現地)処理とオフサイト(回収)処理の違い
オンサイト処理では、業者のスタッフが企業のオフィスに出向き、その場でデータ消去を実施します。機器を外部に持ち出さないため、輸送中の紛失リスクがありません。
オフサイト処理では、機器を業者の施設に送付し、そこで消去作業が行われます。大量の機器を処理する場合には効率的で、コストも抑えられることが多いです。
どちらを選ぶかは、機密性の高さ、処理する台数、コストなどを総合的に判断します。高機密情報を扱う企業では、オンサイト処理が推奨されます。
輸送中の紛失・情報漏えい対策
オフサイト処理で機器を輸送する際には、輸送中の紛失や盗難のリスクに備える必要があります。事前に社内でデータ消去を実施しておくことが推奨されます。
輸送業者は、信頼できる業者を選定し、追跡可能な方法で発送します。保険に加入しておくことで、万が一の紛失時にも対応できます。
機器を梱包する際には、外部から内容物が分からないようにします。企業名やロゴが見えないように配慮することで、標的型の盗難リスクを低減できます。
廃棄後の資源化・再利用プロセス
データ消去が完了した機器は、再販、リユース、リサイクルのいずれかのプロセスに進みます。まだ使用可能な機器は、中古市場で販売されたり、社内の別部署で再利用されたりします。
再販できない古い機器や故障品は、部品として取り出されます。ハードディスクやメモリ、CPUなどは、修理用の部品として再利用されます。
部品としても利用できない場合は、金属やプラスチックなどの素材に分解され、リサイクルされます。最終的な廃棄物を最小限に抑えることで、環境負荷を低減できます。

最新のIT資産廃棄トレンドと技術動向
IT資産廃棄の分野でも、技術革新や環境意識の高まりにより、新しいトレンドが生まれています。
データ消去の自動化とクラウド連携
IT技術の進化により、データ消去のプロセスも自動化・効率化が進んでいます。
遠隔操作によるリモートデータ消去の普及
MDM(モバイルデバイス管理)ツールを活用すれば、管理者が遠隔操作で端末のデータを消去できます。特にリモートワーク環境では、物理的に回収できない端末のデータを迅速に消去する必要があります。
紛失や盗難が発生した際にも、リモートデータ消去機能があれば、即座にデータを保護できます。情報漏えいリスクを最小限に抑える有効な手段です。
ただし、リモート消去が確実に完了したかを確認する仕組みが必要です。消去完了の通知を受け取り、記録として保存しておくことが重要です。
クラウド管理システムとの連携で記録を自動保存
最新のIT資産管理システムは、クラウドベースで提供されており、データ消去の記録を自動的に保存します。どの機器をいつ消去したかが一目で分かり、監査対応が効率化されます。
資産管理台帳と連携することで、機器の導入から廃棄までのライフサイクル全体を一元管理できます。廃棄証明書もシステム上で管理され、必要な時にすぐにアクセスできます。
AIを活用したシステムでは、廃棄のタイミングを自動的に提案したり、コスト最適化のアドバイスを提供したりする機能も登場しています。
AIによるデバイス管理とリスク検知技術
AI技術を活用することで、IT資産の使用状況を分析し、廃棄すべき機器を自動的に抽出できます。稼働率の低い機器や、性能が不足している機器を特定し、リプレイスの優先順位を判断します。
異常なデータアクセスやデバイスの持ち出しを検知するAI技術も開発されています。不正な持ち出しが疑われる場合、即座にアラートを発することで、情報漏えいを未然に防げます。
将来的には、AIがIT資産のライフサイクル全体を最適化し、廃棄からリユースまでを自動的に判断するシステムが実用化されると期待されています。
環境負荷を抑える「グリーン廃棄」
環境意識の高まりにより、IT資産廃棄においても環境配慮が重要視されています。
リユース率向上のための分解・整備技術
使用済みのパソコンを、専門技術者が分解・清掃・整備することで、再販可能な状態に再生します。バッテリーを交換したり、ストレージを新品に交換したりすることで、中古品としての価値を高めます。
企業向けの高性能な機器は、適切に整備されれば、個人ユーザーや中小企業で十分に活用できます。リユース率を向上させることで、新規製造による環境負荷を削減できます。
一部の専門業者では、リユース率90%以上を達成しており、ほとんどの機器を再利用または再資源化しています。
リサイクル材の再資源化と環境報告対応
パソコンには、金、銀、銅などの貴重な金属が含まれています。これらを抽出し、新たな製品の原料として再利用することで、資源の有効活用が可能です。
プラスチック部品も、適切に分別すれば再生プラスチックとして再利用できます。リサイクル技術の進歩により、再資源化率は年々向上しています。
企業は、サステナビリティ報告書において、IT資産のリサイクル率やCO2削減量を開示することが求められています。専門業者からリサイクル証明書を取得し、環境貢献を定量的に示すことが重要です。
廃棄プロセスでのCO₂排出削減の取り組み
IT資産の輸送や処理に伴うCO2排出量を削減する取り組みも進んでいます。地域ごとに処理拠点を設けることで、輸送距離を短縮し、CO2排出を抑えられます。
処理施設での電力使用も、再生可能エネルギーを活用することで、カーボンニュートラルを目指す業者が増えています。
企業側も、廃棄プロセス全体でのCO2排出量を把握し、削減目標を設定することが推奨されます。サプライチェーン全体での環境負荷低減が求められる時代です。
ITAD(IT資産適正処理)サービスの進化
ITAD専門業者のサービスは、年々高度化・多様化しています。
資産価値を最大化する再販・買取モデル
ITADサービスでは、廃棄する機器を詳細に査定し、再販可能なものには適正な買取価格を提示します。これにより、企業は廃棄コストを削減するだけでなく、収入を得られます。
買取価格は、機器の型式、年式、状態などによって決まります。比較的新しいモデルや、状態の良い機器は高値で買い取られます。
大量の機器を一括で処理する場合、ボリュームディスカウントが適用され、さらに有利な条件で取引できることもあります。
セキュリティとコストを両立する委託体制
ITAD業者は、ISMS(ISO27001)やプライバシーマーク(Pマーク)といった第三者認証を取得しており、高いセキュリティレベルを維持しています。
データ消去から廃棄、再販までのすべてのプロセスを一括で委託できるため、企業側の管理負担が軽減されます。証明書の発行や、監査対応のサポートも提供されます。
コストとセキュリティのバランスを考慮し、最適なサービスプランを選択できる柔軟性も、ITAD業者の強みです。
グローバル企業で進む一括管理の潮流
グローバルに展開する企業では、世界中の拠点で発生するIT資産廃棄を、統一された基準とプロセスで管理する必要があります。
国際的なITAD業者は、各国に拠点を持ち、グローバルな一括管理サービスを提供しています。どの国でも同じ品質のデータ消去と廃棄が保証され、証明書も統一されたフォーマットで発行されます。
日本企業でも、海外拠点を含めたIT資産廃棄の一括管理を検討する企業が増えています。グローバルなガバナンス強化の一環として、ITAD業者の活用が進んでいます。

IT資産廃棄で企業が直面しやすい課題
IT資産廃棄を進める際、企業はさまざまな課題に直面します。事前に課題を理解し、対策を講じることが重要です。
情報漏えいリスクの軽視
データ消去の重要性を理解していても、実際には不十分な対応に終わってしまうケースがあります。
消去証跡が残らないまま廃棄してしまう事例
社内の情報システム部門がデータ消去を実施しても、作業記録が残っていない場合があります。監査時に、適切な消去を行ったことを証明できません。
無料のデータ消去ソフトを使用した場合、証明書が発行されないことがあります。どのソフトウェアで、どのような方法で消去したかの記録がなければ、エビデンスとして不十分です。
専門業者に委託する場合でも、証明書の発行が標準サービスに含まれているかを確認する必要があります。
委託先の不正・再委託によるトラブル
委託先の業者が、さらに別の業者に作業を再委託していることがあります。再委託先の管理体制が不十分であれば、情報漏えいのリスクが高まります。
2019年の神奈川県庁の事例も、再委託先の従業員による不正が原因でした。委託契約では、再委託の禁止または事前承認制を明記すべきです。
業者選定時には、自社で作業を完結できる体制があるか、再委託の有無と管理方法を確認することが重要です。
中古市場でのデータ復元被害の実態
企業が廃棄したパソコンが中古市場に流通し、新しい所有者が前の企業のデータを復元してしまう事例が発生しています。これは、データ消去が不十分だったことを意味します。
中古パソコンを購入した個人が、SNSで「前の会社のデータが残っていた」と投稿すれば、企業の評判は大きく傷つきます。企業名が特定されれば、情報管理のずさんさを公に晒されます。
悪意ある購入者であれば、復元したデータを不正に利用したり、企業に対して金銭を要求したりする可能性もあります。
廃棄コストと手間の問題
IT資産廃棄には、コストと手間がかかります。これらを最小化する工夫が必要です。
廃棄費用の不透明化とコスト肥大化
データ消去の単価だけを見て業者を選ぶと、回収費用や輸送費用、証明書発行費用などが別途請求され、トータルコストが高額になることがあります。
見積もり時に、すべての費用項目を明示してもらい、トータルコストで比較することが重要です。隠れた費用がないか、追加料金の発生条件を確認しましょう。
定期的に大量の機器を廃棄する企業では、年間契約を結ぶことで単価を下げられる可能性があります。
社内対応にかかる工数と管理負担
IT資産廃棄を社内で対応する場合、資産の棚卸し、データ消去、運搬、廃棄手続きなど、多くの工数がかかります。本来の業務に支障をきたす可能性もあります。
特に大規模なリプレイス時には、数百台から数千台の機器を処理する必要があり、担当者の負担は膨大です。専門業者に委託することで、工数を大幅に削減できます。
証明書の管理や監査対応も、社内で行うには専門知識が必要です。業者のサポートを活用することで、効率化が図れます。
再利用・買取の仕組みを活用した効率化
データ消去と買取を組み合わせたサービスを利用すれば、処分コストを相殺できるだけでなく、収入を得られる可能性があります。比較的新しいモデルや状態の良い機器は、高値で買い取られます。
買取できない古い機器や故障品でも、部品としてリサイクルされることで、廃棄費用を抑えられます。環境面でも、リサイクルによって資源の有効活用に貢献できます。
ワンストップサービスを提供する業者であれば、データ消去・買取・廃棄を一括で対応してくれるため、複数の業者とやり取りする手間が省けます。
管理責任の所在不明確化
IT資産廃棄の責任者が明確でない場合、適切な管理が行われないリスクがあります。
部門ごとの対応差による漏れや抜け
IT資産の管理が部門ごとに分散している企業では、廃棄の基準や手順が統一されていないことがあります。ある部門では適切に処理されていても、別の部門では不十分な対応に終わる可能性があります。
全社統一のIT資産廃棄ポリシーを策定し、すべての部門で同じ基準と手順に従うようにすることが重要です。定期的な教育や監査により、遵守状況を確認します。
特に、海外拠点や地方拠点では、本社の管理が行き届かないことがあります。グローバルな統一基準を設け、徹底することが求められます。
資産台帳更新が追いつかない
IT資産の導入や廃棄が頻繁に行われる企業では、資産台帳の更新が追いつかないことがあります。台帳と実物が一致しない状態が続くと、適切な管理ができません。
クラウド型の資産管理システムを導入すれば、リアルタイムで台帳を更新できます。自動化により、人的ミスを減らし、管理の精度を高められます。
台帳の更新を廃棄業者に委託するサービスもあります。業者が廃棄した機器の情報を、自動的に台帳に反映してくれるため、担当者の負担が軽減されます。
ガバナンス強化に向けた仕組み整備の必要性
IT資産廃棄におけるガバナンスを強化するには、明確なルールと責任体制の確立が不可欠です。廃棄ポリシーを文書化し、全社に周知徹底します。
廃棄プロセスの各段階で、承認者を明確にします。誰が、何を、どのように承認するかを定めることで、責任の所在が明確になります。
定期的な内部監査により、ポリシーの遵守状況を確認します。不備が見つかった場合には、速やかに是正措置を講じます。継続的な改善サイクルを回すことで、ガバナンスを強化できます。

グライドパスが提供する「安全・確実なIT資産廃棄サービス」
株式会社グライドパスは、愛知県を拠点に、法人のお客様に特化したIT資産廃棄サービスを提供しています。業界経験15年以上のノウハウと専門の有資格者により、企業の情報資産を確実に守ります。
当社サービスの概要
グライドパスのIT資産廃棄サービスは、コストよりも信用を守ることを最優先にした、安心・安全な総合ソリューションです。
データ消去・物理破壊・廃棄を一括で対応
当社では、HDD・SSD・パソコン本体など機密情報の残る機器を、法令やガイドラインに基づき安全かつ確実に処理します。物理破壊または専用ツールによるデータ消去を行い、データが復元できない状態にします。
データ消去と同時に、パソコンやHDDおよびパソコン関連機器・周辺機器まで全て買取や回収が可能です。引き上げと同時に、パソコンや周辺機器の販売も行っております。初期設定やセットアップも行い、各種メーカーからお客様に最適な商品をご提案します。
他社で購入したパソコンの初期設定や、メンテナンス・セキュリティ対策・対応も可能です。パソコンのメンテナンス、ネットワーク環境の整備、修理やトラブル対応など、継続的なサポートも提供しています。
法人専用のITAD体制と全国サポート網
当社では「全メーカー対応」にて対応しており、ノートPC・デスクトップ・タブレット・スマートフォン・HDD・NAS・プリンターなど、あらゆる機器の処理に対応しています。
1台から企業規模に応じて柔軟に対応可能です。大量処分のご相談も承ります。実績として、愛知県某行政機関で400台、建設業で30台、IT業で8台など、1台の少量案件から400台の大量案件まで柔軟に対応しています。
指定場所への出張訪問回収や宅配便での回収など、業務に支障が出ない方法をご提案します。愛知県内であれば出張対応が可能で、愛知県外の方も宅急便などで対応可能です。緊急時には24時間365日対応いたします。
証明書発行・立会い対応による透明性の確保
「確実に消したか」を証明できることは、企業にとって非常に重要です。破壊・消去の事実を証明する破壊証明書・データ消去証明書を発行し、監査・取引先対応・社内管理に役立てていただけます。
証明書は機器単位で発行され、提出先の形式に合わせたカスタマイズにも柔軟に対応いたします。破壊・消去作業完了後、速やかに発行いたします。
立ち合いは原則不要ですが、企業様のセキュリティポリシーに応じて立ち合い確認にも対応しています。最初にご挨拶、完了時に報告をさせていただきます。作業プロセスを直接確認いただけるため、高い安心感をご提供できます。
安全性を担保する管理体制
グライドパスでは、情報セキュリティを最優先に考えた管理体制を構築しています。
セキュリティエリアでの専任スタッフ作業
社内のスマートSMEサポーター資格者、電気工事の有資格者が、情報漏洩・セキュリティの面も配慮して実施いたします。専門知識を持ったプロフェッショナルが対応することで、確実性を担保しています。
業界経験15年以上のITの知見を活かし、単なるデータ消去にとどまらず、企業のセキュリティポリシーに応じた最適な処理方法をご提案します。専門の有資格者による確実な対応により、企業の安全を守ります。
情報漏えいは一度起きれば企業の信用を根底から揺るがす重大リスクです。当社は、「コスト」よりも「信用」を守ることを最優先に、企業が安心して任せられるデータ破壊の仕組みをご提供します。
作業ログ・映像記録によるトレーサビリティ
廃棄業者の実態が見えず不安を感じる企業は少なくありません。当社では、機器の受け渡し履歴・破壊工程・処分の流れをすべて記録し、トレーサビリティを確保しています。
ご訪問時に機器を預かる場合は、預かり証明書を発行します。製造番号を確認し、製品の状況を細かくチェックします。社内にて現状確認を行い、全工程を記録として残すことで、企業としてのリスクを大幅に低減します。
作業工程の記録は長期間保存され、万が一の問題発生時にも、記録を遡って確認できるため、原因究明が迅速に行えます。透明性の高い運営により、お客様の信頼にお応えします。
再委託禁止と内部統制ルールの徹底
当社では、お客様からお預かりした機器を、責任を持って自社で処理します。委託先の不正や再委託によるトラブルを防ぐため、明確な管理体制のもとで作業を実施しています。
データ消去を確実に行い、情報漏洩を防ぐため徹底対応します。買取・下取りの場合も、必ずデータ消去を実施してから次のプロセスに進みます。全工程を見える化することで、セキュリティレベルを一貫して維持できます。
内部統制ルールを明文化し、全スタッフに周知徹底しています。継続的な改善に取り組むことで、高い品質基準を維持しています。
コスト最適化と再利用促進の仕組み
グライドパスは、コスト削減と環境貢献を両立するサービスを提供しています。
再販・買取で廃棄コストを軽減
データ消去と同時に、パソコンやHDDおよびパソコン関連機器・周辺機器まで全て買取や回収が可能です。買取・下取りは基本無料で、商品状況により適正な価格で買い取らせていただきます。
下取りや新品導入の場合、データ消去/破壊を無料で対応いたします。これにより、処分コストを抑えながら、安全なデータ消去を実現できます。廃棄コストを相殺するだけでなく、収入を得られる可能性もあります。見積もりは無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
デバイス再生によるサステナブル推進
買取した機器で再販可能なものは、適切に整備を行い、中古市場で再利用されます。まだ使用可能な機器を廃棄せず、再利用することで環境負荷を低減します。
古いパソコンや使わない周辺機器も引き取り可能です。パソコン本体だけでなく、周辺機器や関連機器も含めて回収できるため、企業の廃棄業務を一括でサポートします。
再販できない古い機器や故障品は、部品として取り出して再利用したり、適切にリサイクルしたりすることで、最終的な廃棄物を最小限に抑えます。
資産価値の最大化と環境貢献を両立
引き上げと同時に、パソコンや周辺機器の販売も行っており、新旧の入れ替えをスムーズに進められます。初期設定やセットアップも行い、各種メーカーからお客様に最適な商品をご提案します。
電気工事有資格者による、社内のWi-Fi環境の整備から、ルーターやNASの設置まで全てのインフラ整備に対応可能です。継続的なアフターフォローやサポートにより、企業のIT環境全体を支援いたします。

当社株式会社グライドパスにおまかせください。
株式会社グライドパスは、法人向けIT資産廃棄サービスのプロフェッショナルとして、お客様の大切な情報資産を守ります。PC販売、PC買取、PC下取り、データ消去サービス、破壊証明書発行まで、IT資産のライフサイクル全体をトータルサポートいたします。
業界経験15年以上の実績と高い技術力、専門の有資格者による確実な対応、そして何よりお客様の信頼を第一に考える姿勢で、安心・確実なサービスをご提供します。IT資産廃棄に関するお悩みやご相談がございましたら、ぜひ当社までお気軽にお問い合わせください。
行政、製造業、サービス業、不動産業、建設業、運送業、小売業、飲食業、士業、IT・通信業など、幅広い業種での実績があります。愛知県豊田市に本社を構え、地域密着で対応しております。営業時間は9:00〜18:00(土日祝除く)ですが、緊急時には24時間365日対応いたします。
専門スタッフが、お客様の状況に合わせた最適なソリューションをご提案いたします。情報セキュリティとコスト削減、環境貢献を三位一体で実現し、企業価値の向上に貢献いたします。電話(0565-42-4477)またはお問い合わせフォームから、お気軽にご相談ください。見積もりは無料です。

まとめ
IT資産廃棄は、単なる処分業務ではなく、情報セキュリティ、法令遵守、環境配慮を統合した経営課題です。リモートワークの拡大やクラウド移行により、管理対象が複雑化する中、適切な廃棄プロセスの確立が急務となっています。
IT資産廃棄の全体プロセスは、(1)廃棄対象資産の把握と管理台帳の整備、(2)データ消去の実施と記録管理、(3)回収・運搬・廃棄の安全管理の3つのステップで構成されます。各段階で適切な対応を行うことで、情報漏えいリスクを最小化できます。
最新のトレンドとして、データ消去の自動化とクラウド連携、グリーン廃棄、ITAD(IT資産適正処理)サービスの進化が挙げられます。リモートデータ消去やAIによるデバイス管理など、技術革新が進んでいます。
| プロセス | 主な内容 | 重要ポイント |
|---|---|---|
| 資産把握 | 棚卸し・台帳整備 | 不正持出防止 |
| データ消去 | 論理消去・物理破壊 | 証明書発行と保管 |
| 回収・廃棄 | 安全な運搬・処理 | リユース・リサイクル |
企業が直面しやすい課題として、情報漏えいリスクの軽視、廃棄コストと手間の問題、管理責任の所在不明確化があります。これらの課題に対応するには、専門業者への委託とガバナンス強化が有効です。
IT資産廃棄を成功させるためのチェックリスト
・全社統一の廃棄ポリシーを策定しているか
・データ消去証明書・破壊証明書を取得できる体制か
・有資格者による確実な対応が受けられるか
・全工程のトレーサビリティが確保されているか
・オンサイト・オフサイト対応を適切に選択したか
・リユース・買取でコスト最適化を図っているか
・1台から大量案件まで柔軟に対応できる業者か
株式会社グライドパスは、業界経験15年以上の実績と専門の有資格者により、安全・確実なIT資産廃棄サービスをご提供しています。データ消去/破壊から証明書発行、買取・下取りまで一括で対応し、全工程を見える化したトレーサビリティを確保いたします。下取りや新品導入の場合はデータ消去を無料で対応し、コスト最適化も実現できます。IT資産廃棄に関するお悩みは、ぜひ当社までご相談ください。
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